飛鳥山スカイラウンジ殺人事件 (1987年)
1987年3月5日、飛鳥山公園のスカイラウンジで19歳の東大生・矢部富美子が主婦の井上典子を刺殺する――という事件が起こりました。(島田荘司『展望塔の殺人』)
奇しくも(!?)今日、3月5日は作中でこの事件が発生した日です。もちろんこれはフィクションですが、舞台となった「スカイラウンジ」は、かつて北区の飛鳥山公園に実在した回転式展望タワーです。
1970年に開業したこのタワーは高さ約30m。キノコやUFOのような円盤型の展望室が、ゆっくりと1周するしくみでした。地元民以外にはまったく知られていない施設かもしれませんが、当時はけっこうな人気スポットだったようです。
私は上ったことがありませんが、東北新幹線や東北本線が上野駅を出てしばらくすると、左手に展望タワーの大きな「北区飛鳥山公園」の文字が見えたものでした。
とくに春は足元に桜の絨毯が広がり、上空からのお花見は絶景だったとのこと。しかし老朽化などの理由で1993年に解体され、現在は跡形もありません。
今では小説の中にしか当時の面影がなく、ひとり思い返すと少し寂しい気もしますね(笑) 飛鳥山にお越しの際は、タワーがあった空を見上げて昭和のミステリーに思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
《参考文献》島田荘司, 展望塔の殺人~吉敷竹史シリーズ7~(光文社文庫). 光文社, 1991年.